▽米財務省、早ければ8月にも支払い不能に陥るリスク-議会予算局

Jarrell Dillard、Erik Wasson

  • 政府の借り入れ能力は8月か9月に尽きる、債務上限の変更なければ
  • 借り入れ需要が予想を大幅に上回れば、5月下旬にも資金枯渇の公算

超党派の米議会予算局(CBO)は、議会が連邦債務上限の引き上げや適用停止を行わない場合、政府は早ければ8月にも全ての支払いを期限通りに履行するための資金が不足する可能性があると警告した。

  米財務省は1月21日以降、年初に発動された36兆1000億ドル(約5400兆円)の債務上限を突破しないよう特別な会計措置を活用している。しかし同省は、こうした措置がいつ限界に達するのか具体的な見通しをまだ示していない。

  「債務上限が変更されない場合、特別措置を活用した政府の借り入れ能力は2025年8月または9月に尽きる可能性が高い」とCBOは26日の声明で指摘。ただし「資金が枯渇する正確な時期は不透明だ。それまでの数カ月間の歳入と歳出のタイミングや額がCBOの予測と異なる可能性があるためだ」と説明した。

  CBOはまた、「政府の借り入れニーズがCBOの予測を大幅に上回る場合、財務省の資金は5月下旬か6月中にも底をつく可能性がある。これは6月中旬に予定される税収の受け取りや、6月30日に追加の特別措置が利用可能になる前に起こり得る」とした。

  イエレン前米財務長官は2023年に議会で債務上限を巡る論争が起きた際に、資金が枯渇するいわゆる「Xデー」を超えれば、財務省は「何らかの支払い義務を履行できなくなる」と述べていた。ベッセント現財務長官は指名承認公聴会で、自身が長官である限り米国がデフォルト(債務不履行)に陥ることはない」と明言した。

原題:US Treasury Risks Payment Default as Soon as August, CBO Says(抜粋)