▽プーチン氏「北極圏で協力可能」、パートナー国に投資収益保証

Vladimir SoldatkinDmitry Antonov

プーチン氏「北極圏で協力可能」、パートナー国に投資収益保証

[モスクワ 27日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は27日、北極圏に位置するロシア北西部の港湾都市ムルマンスクを訪れ、北極圏で地政学的な対立が激化する中でも、西側諸国を含む他国との協力は可能との見解を示した。

北極圏を巡っては、トランプ米大統領がデンマーク領グリーンランドの購入に意欲を表明。バンス米副大統領を含む米代表団が28日にグリーンランドを訪問する。 もっと見る

プーチン氏は、トランプ氏がグリーンランド獲得の意向を表明していることはロシアには関係ないとしながらも、米国が北極圏で自国の利益を追求し続けるのは明確だと指摘。米国のグリーンランドに対する野心は真剣なもので、長い歴史的根拠があると述べた。

その上で「北極圏の役割と重要性がロシアにとっても、世界全体にとっても高まっていることは明らかで、この地域での地政学的競争が激化している」とし、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が極北地域を潜在的な紛争の足がかりとして位置づけつつあることに懸念を表明。状況を監視し、適切な対応を準備していると語った。

同時に、ロシアは北極圏でどの国も脅したことはないが、自国の利益を守る準備はできているとし、この地域でロシアと協力する用意のあるパートナー国に良好な投資収益を保証すると表明。ロシア北部の港湾施設の拡張や、原子力砕氷船を含む次世代砕氷船に支えられた北極圏の商船団の構築などを呼びかけた。

ロシアは西側諸国の制裁措置を受け、貿易の中心を欧州からアジアにシフト。プーチン氏は北極海を経由する「北極海航路(NSR)」を利用した商業活動の拡大に意欲を示している。