▽ロシア、トランプ氏の「本気度」試す戦略―欧州への制裁解除圧力期待
- 停戦条件としてSWIFT再接続求める-欧州は制裁緩和しない方針
- トランプ氏、ロシア側の条件を見極め次の判断下す考え
ロシア政府は、トランプ米大統領が欧州に対ロ制裁緩和を迫ることへの本気度を試す戦略を練り上げているという。事情に詳しい関係者が明かした。
ロシアは、米国が提案した黒海での停戦を受け入れる条件として、ロシア農業銀行(ロスセリホズバンク)の国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」への再接続を要求している。
ロシア大統領府に近い2人の関係者によると、同銀行を条件に挙げた目的は、トランプ氏がその案に同意するかどうか、また、同氏が欧州連合(EU)を同意させられるかを確かめるためだった。ベルギーに本部機能を置くSWIFTはEUの管轄下にある。
ロシアのプーチン大統領は、トランプ氏と協力して何ができるかを見ており、SWIFTへの再接続を許せば、制裁全体の段階的な弱体化につながる可能性があると関係者らは述べた。機密事項だとして、この関係者は匿名を希望している。

EUは2022年、ウクライナ侵攻に対する広範な経済制裁の一環として、ロシア農業銀行をはじめ、その他ロシアの主要金融機関をSWIFTから排除した。欧州首脳らは27日、パリで行った会議で、ロシアに対する制裁を緩和しない方針を確認した。
英国のスターマー首相は、制裁緩和の代わりに、ロシアに交渉のテーブルに着かせるために「さらなる圧力」をかける制裁の方法について話し合ったと述べた。

今週サウジアラビアで行われた米国との高官会合で、ロシア政府はこのほか、ロシア鉄道や食料・肥料の対外貿易に関わるその他の金融機関に対する制裁の解除を条件に停戦に参加するとした。
米国のルビオ国務長官は26日、記者団に対し、ロシア側の条件の一部は「米国が課したものではない制裁措置を含んでいる。EUの管轄だ」と述べた。また、米当局は「ロシア側の立場や、見返りに何を求めているのか」を検討し、その後、トランプ氏が次のステップを決定するとしている。
ロシア大統領府高官と関わりのある政治アナリスト、パベル・ダニリン氏は「これはトランプ氏にとってのテストとなる。ロシアは、トランプ氏が公約にどう取り組むかを見極めたい」と指摘した。
サウジアラビアでの交渉に臨んだロシア高官の1人、カラシン元外務副大臣は、トランプ政権が「対話に興味があり、共同のアプローチと解決策を見つけようとしている」と評し、「この場合、欧州は少しずつ、常識や現実主義に戻り始めるだろう」と述べた。
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原題:Putin Tests How Far Trump Will Go Against Europe on Sanctions (抜粋)