▽マスク氏のAI会社がX買収、事業合理化-統合後の価値1000億ドル超

Nick Turner

  • 買収は全て株式交換で実施-「XAIホールディングス」誕生へ
  • 今回の買収は「システムをうまく統合するのに役立つ」-アナリスト
Elon Musk's xAI Startup Seeks to Raise $1 Billion in Equity
Photographer: Gabby Jones/Bloomberg

資産家のイーロン・マスク氏は、自身の人工知能(AI)スタートアップ「xAI」がソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」を330億ドル(約4兆9500億円)で買収したと明らかにした。

  「統合はxAIの企業価値を800億ドル、Xを330億ドルと評価するものだ」とマスク氏は28日、Xに投稿。Xの企業価値は債務120億ドルを含めると450億ドルと評価されると、マスク氏は続けた。買収は全て株式交換によるものだという。

  取引条件が公開されていないとして匿名を条件に事情に詳しい関係者が話したところによると、買収によって誕生する「XAIホールディングス」の企業価値は負債を除き1000億ドルを超える規模となる見通し。

  今回の買収により、マスク氏にとっては事業の合理化が進むと同時に、XとxAIとの関係が一段と強化されることになる。xAIはチャットボットの精度向上のためにXから得た情報を活用してきた。

  また、マスク氏の改革によりユーザーや広告主の離反が相次ぎ、投資を巡る状況に不透明感が広がっていたXの他の株主にとっても一定解決策となる。

  マスク氏は「xAIとXの未来は結び付いている」と指摘。「今日、われわれは正式にデータ、モデル、計算、配信、人材を統合する一歩を踏み出す。この統合により、xAIの先進的なAI能力と専門知識をXの膨大なリーチと融合することで莫大(ばくだい)な可能性が解き放たれるだろう」と述べた。

  マスク氏は2022年に440億ドルでツイッターを買収。この取引には負債も含まれていた。経営権取得後には人員削減や機能の刷新を行い、禁止された一部のアカウントを復活させた。一方で広告事業には悪影響が及び、Xの2025年の広告収入はツイッター買収時と比べて半分程度にとどまると予想されている。

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  マスク氏はまた、xAIが開発したチャットボット「Grok」の宣伝にもXを利用している。xAIはオープンAIなどのAI企業と競合している。

マスク氏は、自身のAIスタートアップ「xAI」がソーシャルメディアの「X」を330億ドルで買収したと明らかにした

  ウルフ・リサーチのアナリスト、シュウェタ・カジュリア氏は、今回の買収は「システムをうまく統合するのに役立つ」とし、両社にとってポジティブだと評価。膨大な量のトレーニングデータへのアクセスを提供することで「Grokに独自の優位性がもたらされる」とした。

  ブルームバーグ・ニュースは2月、xAIが約100億ドルの資金調達ラウンドに向け投資家を募っていると報道。同ラウンドでの評価額は約750億ドルが見込まれるとしていた。

  マスク氏は投稿で「2年前の創業以来、xAIは急速に世界有数のAI研究所へと成長し、前例のないスピードと規模でモデルとデータセンターを構築してきた」と指摘。一方でXは「世界でも有数の効率的な企業の一つへと変貌を遂げ、スケーラブルな将来の成長を実現する体制を整えた」とコメントした。

  Xのリンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者(CEO)は28日の投稿でxAIによる買収を認めた上で「未来はこれ以上ないほど明るい」と述べた。

原題:Musk Says His xAI Startup Bought X at $33 Billion Valuation (2)(抜粋)