▽米株価指数先物が急落、円は急伸-トランプ関税巡る混乱深まる<bloomberg日本語版>2025年4月7日 7:16 JST
Jess Menton、Natalia Kniazhevich、Richard Henderson
- S&P500種先物は4.4%安、現物指数は弱気相場入りの方向
- 円やスイス・フランなどに逃避買い、銅先物価格は8%強下落
米株価指数先物がアジア時間7日朝に急落し、円が急伸。トランプ政権が関税強化の姿勢を崩さない中、エコノミストらは貿易戦争が米経済のリセッション(景気後退)を招くと警鐘を鳴らしており、金融市場の混乱は深まっている。
S&P500種株価指数の先物は4.4%安。S&P500種の現物は先週3日と4日の2営業日で計10%下落し、2020年3月以来の大幅安を記録していた。先物急落を受け、現物指数は2月の最高値からの下落率が20%を超え弱気相場入りする方向。
ナスダック100指数先物は4.4%下落した。4日に同指数は弱気相場入りした。ラッセル2000指数の先物は約5%安。
リスク回避で安全資産を買う動きが広がり、円やスイス・フランなどが上昇。一方でオーストラリア・ドルとニュージーランド(NZ)ドルは急落。原油価格は3%余り下落。銅先物価格は8%強下落し、金も軟調に始まった。
米国債相場は4日に上昇し、2年債利回りは2022年以来の低水準を付けた。7日朝のアジア市場では10年債先物が上昇し、利回りが約15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下することを示唆している。
一連の動きは、金融市場全般に恐怖感のレベルが歴史的に数回しかないほど高まっていることを浮き彫りにした。米国に有利な形で世界貿易を再構築するトランプ大統領の行動は景気後退リスクを高めた。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのウィン・シン氏は、「関税による市場への影響は今週も続くだろう」と予想。トランプ政権当局者が相場急落に対処するめに政策を変更するつもりはないと示唆しており「こうしたメッセージを踏まえると、株式市場は売り浴びせが続き、米国債相場は上昇が続く」と述べた。

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原題:S&P 500 Futures Slump as Tariff Turmoil Deepens: Markets Wrap、US Stock Futures Tumble With Trump Team Digging In on Tariffs 、Treasury Futures Jump Amid Risk Aversion; Australian Bonds Gain(抜粋)
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