今朝はイーロン・マスクの目覚めだった。ニュースを見ていたらやたらとイーロン・マスクが目に付いたこと、同時にイーロン・マスクという人物の“非現実性”に気がついた。2つの点で今朝はイーロン・マスクの目覚めだった。NHKはイーロン・マスクが最高経営責任者(CEO)を務めるスペースXの超高速輸送システム「ハイパーループ」構想に、慶応のチームが挑戦していることを取り上げている。昨年に続いて今年8月のコンテストではスピードを時速450キロメートルにする目標を掲げている。ハイパーループ構想は、真空に近い状態にしたチューブと呼ぶ専用トンネルの中に、磁力などで浮かせたカプセル型の専用車両を時速約1200キロメートルで走らせる構想。これに慶応のチームが挑んでいる。

ロイターはテスラが昨年11月に発表した電気トラック「テスラ・セミ」の実現が難しいとする観測記事を掲載した。テスラのCEOはイーロン・マスクだ。詳細は記事に譲るが、セミの実現に必要なのは電気の高速充電装置の整備と電気を蓄えるバッテリーの性能アップだ。この記事はバッテリーについて触れておらず、高速充電設備の現状に絞って記事をまとめている。充電ステーションの建設には莫大な費用がかかる。記事によるとテスラはすでに、自社製EV用に開発した充電設備「スーパーチャージャー」を、世界の1100カ所以上に設置している。それでもセミの普及には不十分で、マスクCEOは太陽光発電を利用し、セミを30分で満タンにできる「メガチャージャー」網の整備に言及している。充電設備の整備がセミの売れ行きを左右するが、これが思ったようには進んでいないようだ。

スペースXといえばロケットだ。NHKはもう一つの記事でスペースXが大型ロケットの打ち上げに成功したと伝えている。「現存する中で最も打ち上げ能力が大きいロケットを試験的に打ち上げ、車を搭載した先端部分を火星に向けた軌道に乗せるために切り離すことに成功しました」と伝えている。このロケットは「全長は70メートル、日本のH2Bロケットの3倍以上にあたるおよそ64トンの物資を地球を回る軌道に運ぶ能力がある」という。そして、ここから先が凄い。スペースXは「6年後を目指して火星に有人宇宙船を送る計画」を立てており、今回の試験はその一環でもある。世界中にその名を轟かせているイーロン・マスク、夢のような“計画”を公表しながら、その構想はいつも“非現実的”とみられている。にもかかわらず彼の夢と計画はどんどん膨らんでいく。この人、いったい何者なんだろう、興味が湧いてきた。