• 不平等の長期化は一般世帯に所得と貯蓄への不安あおる公算
  • 一般世帯の懸念、中立金利の押し下げにつながる可能性

米国で広がる貧富の格差をずっと心配しているエコノミストは、新たな懸念材料を抱えることになるかもしれない。所得不均衡がリセッション(景気後退)と闘う米連邦公開市場委員会(FOMC)の能力を妨げる可能性があるためだ。

スタンフォード大学のエイドリアン・オークラート氏とノースウェスタン大学のマシュー・ログンリー氏が執筆した調査論文によれば、不平等の長期化は一般世帯に所得と貯蓄への不安をかき立てる要因となる公算が大きいと指摘。ひいてはこれがインフレをあおることなく中央銀行が完全雇用を維持することができるいわゆる「中立金利」を押し下げるかもしれないとしている。

所得格差の影響を研究しているワシントン・センター・フォー・エクイタブル・グロースが一部資金を提供したこの論文は19日に公表された。

原題:Rising U.S. Inequality May Hurt Fed Ability to Fight Recessions(抜粋)