ホワイトハウスによりますと、会談で両首脳は「過去の失敗から学ぶ大切さを確認した」として、非核化を実現できなかった過去の取り組みを踏まえ、対話と引き換えに圧力を緩めることはせず最大限の圧力を維持するため、緊密に連携していく方針を確認しました。またトランプ大統領はことし5月末までに米朝首脳会談を行う意向を改めて示したということです。
一方、韓国大統領府によりますと、ムン大統領は「朝鮮半島の非核化は世界の平和を確保するために最も重要な目標だ。どのような状況や条件でも、決して譲歩できないというのがわれわれの確固たる立場だ」として、北朝鮮の非核化を目指す韓国の立場を強調しました。ムン大統領としては、北朝鮮に妥協しない姿勢を強調することで、南北の対話が北朝鮮をめぐるアメリカや日本などとの連携の乱れにつながるという懸念を払拭(ふっしょく)する狙いもあるものと見られます。
米国務副長官と韓国外相が会談
会談の冒頭、サリバン副長官は「両国が国益を共有する課題をめぐる議論を前進させるため、カン外相を迎えることができ大変うれしく思う」と述べ、国務長官が解任される異例の事態の中でも、予定どおり訪米したカン外相を歓迎しました。会談でサリバン副長官とカン外相は、来月末に予定される韓国と北朝鮮の首脳会談、そして、5月末までに行われる見通しの米朝首脳会談に向け意見を交わし、緊密に連携していく方針を確認したと見られます。
サリバン副長官は16日、日本の河野外務大臣とも会談し、同盟国の外相との会談を予定どおり行うことで、国務長官の解任で外交が機能不全に陥るとの懸念の払拭(ふっしょく)に努めた形です。一方の韓国政府としても、予定どおりカン外相を派遣し、南北首脳会談の準備状況を説明するとともに、アメリカとの緊密な連携を維持し米朝首脳会談の実現を後押ししたい考えがあるものと見られます。