• 円は対ドルで上昇した唯一の主要通貨、一時は105円60銭に上昇
  • 消費者マインド指数や鉱工業生産指数など、米指標が経済堅調裏付け

16日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが円以外の主要10通貨全てに対し上昇した。一連の米経済指標が堅調となる中、ドル指数は4週連続で上昇した。来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が控えている。

ドル指数は前日比マイナスから上昇に転じ、一時は0.2%高となった。週間ベースでは昨年10月以来で最長の4連騰。週末を控えてリスク選好度は依然低く、ドルに対しては資源国通貨が最も大きく下げた。円は対ドルで約1週間ぶりの高値を付けた後、伸び悩んだ。

ニューヨーク時間午後4時35分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%上昇。今週は0.2%上昇した。ユーロは対ドルで0.2%安の1ユーロ=1.2286ドル。ドルは円に対して0.3%下げて1ドル=106円04銭。

この日発表された米経済指標では、3月のミシガン大学消費者マインド指数が14年ぶりの水準に上昇し、インフレ期待値も上向いた。また、2月の鉱工業生産指数は市場予想を上回る伸びを示し、設備稼働率も上昇。このほか、1月の求人件数が前月比で増加し、経済活況の認識を強めた。

ドルは円に対し105円60銭まで下げた後、106円台を回復した。米国債が下落し、10年債利回りがこの日の最高水準に達したことが手掛かりとなった。円はこのところ、米政治への懸念を受けた逃避需要に支えられている。日本の年度末を控えた駆け込みのヘッジ需要もあるとみられる。

欧州時間の取引

ドル指数が週間ベースの上げを失った。トランプ米大統領がマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任する方針だと報じられ、米国での政治混乱に対する懸念が高まる中で、ドルを買い持ちにしている投資家に圧力がかかった。