[ニューヨーク 4日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米雇用統計が軟調となったものの、ドル指数が一時年初来高値を付けたほか、ドルは対スイスフランでパリティ(等価)を超えた。

米労働省発表の4月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月比16万4000人増と、予想の19万2000人増を下回ったものの、失業率は17年半ぶりの低水準となる3.9%に低下。時間当たり賃金は前月比0.1%増、前年比2.6%増となった。

ラフィキ・キャピタル(ニューヨーク)の調査・戦略部門責任者、スティーブン・イングランダー氏は今回に雇用統計について、「一時停止を意味するのだろうが、相場の動きを止めるものではない」との見方を示した。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは一時92.90と、昨年12月28日以来の水準に上昇。その後は雇用統計発表前の水準近辺の92.566に戻した。米ドル/スイスフランCHF=は一時1.0022フランに上昇し、パリティを超えた。

欧州中央銀行(ECB)などの主要中銀が刺激策の解除に手間取る中、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを継続していくとの観測を背景に、ドルはこのところ上昇してきた。

NAB(ロンドン)のシニア市場ストラテジスト、ギャビン・フレンド氏は、「ここ数日は、ECBと英中銀は利上げを巡りFRBに遅れをとっているとのいら立ちが市場で意識されていた」と指摘。「(欧州の)データが有意に上向かない限り、ドルは向こう数週間はアウトパフォームするとみられる」と述べた。

一方、ウエルズ・ファーゴ(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は、米国以外の国の経済に対し過度に悲観的な見方が出ていた可能性があるとし、ドルの上値は限定される公算があると指摘。「米国以外の国の経済も十分に力強く、中銀は金融政策の正常化に向けた軌道に乗っている」としている。

この日はサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁が、物価はFRBの目標に向かい上昇しているものの、インフレ急伸の兆候は確認していないとの見解を表明。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、米国のインフレ率はFRBが目標とする2%に近づきつつあり、米経済は堅調となっているとの認識を示した。

ドル/円
NY終値 109.11/109.14
始値 108.94
高値 109.27
安値 108.66

ユーロ/ドル
NY終値 1.1958/1.1962
始値 1.1966
高値 1.1993
安値 1.1912