トランプ米大統領(右)と韓国の文在寅大統領=2017年6月、ワシントン(AFP=時事)

 【ソウル時事】韓国の文在寅大統領は21日夕、ソウル郊外の空港を専用機で出発し、米国訪問の途に就いた。22日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談する。6月12日に予定される初の米朝首脳会談を前に、北朝鮮が会談取りやめをちらつかせるなど、強硬姿勢を見せる中、両首脳はその真意をめぐり対応を協議。朝鮮半島の非核化や平和体制構築、北朝鮮の体制保証などの具体策について突っ込んだ議論を行うとみられる。

先の南北首脳会談で署名された「板門店宣言」では、朝鮮半島の軍事的緊張緩和に向けた共同努力をうたい、「完全な非核化」を共通の目標として確認。今年中に朝鮮戦争の終戦宣言や休戦協定を平和協定に転換する協議を推進することなどを定めた。

しかし、北朝鮮は今月11日に始まった米韓合同の航空戦闘訓練「マックス・サンダー」に反発、16日に予定されていた南北閣僚級会談を直前にキャンセルし、合同訓練の中止を要求。さらに「一方的な核放棄だけを強要するなら、朝米首脳会談を再考するほかない」と警告するなど、揺さぶりを強めている。

文氏とトランプ氏は20日、急きょ電話で会談し、こうした北朝鮮の「反応」をめぐって協議、米朝首脳会談に向けて揺るぎなく緊密に協力していく方針を確認した。トランプ氏は最近、北朝鮮の非核化後も、金正恩朝鮮労働党委員長の体制は保証されると表明しており、核放棄に当たって体制保証のなかった「リビア方式」との違いを強調している。