• 現時点は時期尚早だが環境整えば検討-柴田頭取インタビュー
  • 米国債などの投資に慎重姿勢、16年度の損切りを教訓に

静岡銀行は、関連会社のマネックスグループが買収した仮想通貨交換業者のコインチェックについて、将来的に安全性が確認され社会的信頼が高まれば、口座連携などを検討し、協力して新たなサービス創出を模索する考えを示した。柴田久頭取がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。

柴田頭取は仮想通貨が決済手段としては限定されている現状から「現時点での提携は時期尚早」との考えを示しつつ、コインチェックが交換業者として金融庁から登録承認を得るなど環境が整えば「どういう連携ができるか考えたい」と述べた。コインチェックが抱えるブロックチェーン技術者などの人材に注目しているほか、コインチェックや同社を買収したマネックスグループと口座を連携できれば「もっと新しい金融サービスができる可能性がある」と期待を示した。

ネット証券大手のマネックスは4月、巨額の仮想通貨流出させたコインチェックを買収。ガバナンスに詳しい弁護士らを取締役に起用するなど経営再建を急いでいる。静岡銀はマネックス株の約27%を保有する筆頭株主。銀行法では業務範囲を厳しく制限しているが、金融庁は静岡銀の体力などを参考に「個別案件」として今回の買収を認めたという。柴田頭取はマネックスの松本大社長の仮想通貨への情熱を知っており「買収を応援した」と明かした。

調達・運用を多様化

一方で、柴田頭取は米国債投資について慎重姿勢で臨む考えを示した。静岡銀は前々期(2017年3月期)に米国債などの損切りで373億円の売却損を計上。損失額は上位地銀5グループで突出していた。現在、米国債利回りが急上昇しているが、同行はこれを教訓に性急な買い増しはしないという。柴田頭取は、一段の利上げが予想される中で短期金利と連動するドル調達コストが長期金利を上回り「逆ザヤになることもありうる」と懸念を表明。「含み損をあらためて抱えないよう、慎重にやっていく」と述べた。ドル調達については外債発行などで多様化を図る意向を示した。

国債を含む円債に関しては、金利収入の点では低過ぎて「全く魅力がない」としつつ、運用戦略全体を考えると株式と逆の動きをする商品であり「株のリスクヘッジとしてある程度の残高を持つ選択肢はある」とした。オルタナティブ投資を含めた運用先の多様化をさらに進める意向で、207億円(18年3月末)の残高を抱えるプライベート・エクイティ投資について過大なリスクは取らないが、今後も自己資本見合いで一定程度は組み入れていくとした。