史上初の米朝首脳会談が明日行われる。日本時間で12日の午前10時に始まるというから、今からちょうど24時間後だ。結果がどうなるか世界中が注目する会談である。例によって独断と偏見に基づく予測を大胆に提示しよう。「何も起こらない」ということだ。トランプ大統領も金正恩委員長も国内に深刻な問題をかかえている。トランプ大統領は11月の中間選挙、もっと言えばその先にある自らの再選。金正恩委員長は国内の経済危機である。だから2人にとっては失敗が許されない会談である。その面では「成功」が義務付けられているといっていい。2人とも「会談は大成功」とのパフォーマンスを繰り広げるだろう。非核化に向けて中身のない会談は「大成功」とはいえない。さりとて軍事攻撃に戻るわけではない。

要するに「何も起こらない」のである。だが、何も起こらないことで北朝鮮は得をする。結果的には金正恩委員長の勝利である。トランプ氏はおそらく中間選挙に負けて、大統領選挙への再出馬を断念せざるを得なくなる。時間の経過とともにトランプ大統領の敗北が明らかになる。トランプ氏は歴代大統領と同じ轍を踏むことになるのである。根拠レスな個人的な見解に過ぎないが、そうならないことを祈るのみ。米朝首脳会談に比べるのはあまりに失礼かもしれないが、注目の新潟知事選挙は自民党と公明党が推薦する花角氏の勝利に終わった。モリ・カケ問題をはじめ財務省の文書改ざん、防衛省の日誌問題、裁量労働制度の適用拡大法案の撤回など、政治状況は圧倒的に野党に有利だったはずだ。そこで勝てない野党。野党はこの環境でどうして勝てないのか。

これも独断と偏見に基づく個人的見解だが、野党はあまりにもこれまでの野党でありすぎるからだ。問題が起これば証人喚問を絶叫し、証人喚問が実現しても何一つ目新しい真実を引き出せない。そんな野党に有権者は期待しつつも結果的に失望する。前に進まない政治の繰り返しだ。有権者の意識は、特に若い人に顕著だと思うが、悪政でもいいから政治を前に進めてほしいと願っている。忖度だ、利益誘導だ、証人喚問だといくら叫んでも、将来の不安は少しも無くならない。それなら停滞する現状を少しでも前に押し進めようとする与党の方がまだマシではないか。新潟県知事選挙の勝因はそんなところにあるような気がする。野党は政策と戦術を間違えているとしか思えない。トランプ大統領の存在感は歴代大統領がやらなかったことをやることにある。金正恩委員長に騙されれば、新潟知事選に敗北した野党とお同じ轍を踏むことになる。