【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権が発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限で、米商務省は20日、関税の適用を品目別に除外する手続きに関して、42品目を適用除外に選定したと発表した。日本など7社の製品が選定された。品目別の除外手続きの結果公表は初めてで、今後も選定作業を続ける。

日本からはベアリングや切削工具を手がける「不二越」の米国法人「ナチ・アメリカ」(インディアナ州)の申請が認められた。ほかにスウェーデンやベルギー、ドイツ、中国の企業の申請が認定された。

一方、適用除外が却下されたのは、11社から申請を受けた56品目だった。

同日の下院財政委員会で証言したロス商務長官は、申請件数は2万2千を超えたと指摘。品目別の除外手続きが停滞している実態が判明した。議員からは選定の遅れに対する不満が表明され、「認定される前に企業が倒産してしまう」などの声が出た。

米商務省は「手続きの改善を進めており、(適用除外の選定を)迅速化する」(ロス氏)方針だ。米鉄鋼輸入制限は日本にも発動され、日本は米国に国別の適用除外を求める一方、品目別の除外認定に期待を寄せていた。