20日のニューヨーク外国為替市場では、米国債相場の動きと関連性の強い通貨が下落。大量の社債発行や株式相場の上昇、主要中央銀行トップの発言を受けて米国債利回りが上昇したことが手掛かり。
円は値下がり。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言などを受けて、米10年債利回りが上昇したことが材料視された。米10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.94%。
カナダ・ドルは5営業日続落。金相場の下落が手掛かり。また貿易面でのリスクからカナダ銀行による利上げの見通しも後退している。
欧州時間に一時大きく下げたユーロは、ショートカバーが入り下げを縮めた。
ニューヨーク時間午後4時59分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比ほぼ変わらず。ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ=1.1574ドル。ドルは対円で0.3%高の1ドル=110円36銭。米ドルはカナダ・ドルに対して0.2%高の1米ドル=1.3310カナダ・ドル。
ポルトガルのシントラで開かれたパネル討論会では、主要中銀のトップらは慎重ながらも楽観的な見通しを示した。貿易政策の投資への影響に懸念を示しつつも、成長やインフレ率の上昇を予想した。出席者は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁、日本銀行の黒田東彦総裁、オーストラリア準備銀行のロウ総裁。
黒田総裁は、量的緩和政策の下で日本経済が顕著に回復したとし、インフレ期待が突如として上昇するとはみていないと述べた。
欧州時間の取引
欧州時間にはユーロがやや荒い動きを見せた。ECB政策委員会メンバ-のビルロワドガロー仏中銀総裁は書簡で、ECBの初回利上げは「2019年の夏」になる可能性があると指摘。これを受けてユーロは一時それまでの下げを埋めた。その後、自身の見解は6月14日の会合後に公表された金利ガイダンスに沿ったものだと明確に説明した。
一方でECB政策委員会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は、ユーロについて、欧米の金融政策正常化のペースの違いから「ドルに対して大幅に下落する展開になっている」と述べた。これに反応し、ユーロは1.1537ドルまで急速に下げた。
原題:Yen and Loonie Drift Lower as Treasury Yields Climb: Inside G-10(抜粋)
Euro Whipsaws on ECB Comments as Trade Fears Ease: Inside G-10