• トランプ大統領の入国制限、イラン産原油の輸入停止要求
  • カナダも鉄鋼で新たな措置、中国の対米投資規制、ロシア疑惑捜査
トランプ大統領、Photographer: Al Drago/Bloomberg

トランプ米大統領の入国制限令を支持した最高裁判断について、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニスト、ノア・フェルドマン氏は、戦時中の日系アメリカ人の強制収容を認めた1944年の「コレマツ裁判」以来、最悪の判断だと論じました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

最終決着

米連邦最高裁判所はトランプ米大統領が発令した入国制限令を支持する判断を下した。入国制限は大統領としての権限を越えておりイスラム教徒を標的としたのは合衆国憲法に反するとの主張を、最高裁は退けた。ホワイトハウスは声明で、「大勝利だ」とたたえるトランプ大統領のコメントを発表。「米国の安全を守るという大統領としての明確な権限を、最高裁は認めた」と評価した。

輸入ゼロに

米政府は同盟国に対し、イラン産原油の輸入を11月4日までに完全に停止するよう要求していると、米国務省の当局者が明らかにした。期限の先延ばしや適用除外を認めることには前向きではないという。トランプ米大統領は2015年に成立したイラン核合意の米離脱を決定しており、輸入停止への圧力はこれを補完する政策。ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は大幅反発。バレル当たり70ドル台に乗せ、1カ月ぶり高値となった。

カウンターアタック

カナダ政府は、米国の輸入関税を回避しようとするメーカーから鉄鋼製品が急激になだれ込む事態を阻止するため、新たな措置を準備している。この計画に詳しい複数の関係者が明らかにした。準備中の措置は中国を含む一部の国に対する輸入割り当てと関税の組み合わせで、ダンピング防止目的で特定の鉄鋼製品輸入に新たな割当制を導入し、これを超過する場合に関税を適用する。来週にも発表される可能性がある。

ムニューシン方式

トランプ大統領は米国の知的財産を守るために中国の対米投資を規制する政策について、外交投資委員会(CFIUS)を活用するのが望ましいとの見解を示した。政府内では対中規制の手法を巡って意見が分かれている。ムニューシン米財務長官が推すCFIUS活用は、安全保障上のリスクを考慮して米企業買収を審査するもので、比較的穏健なアプローチとされている。一方で、国際緊急経済権限法を発動するもっと厳しい手法を主張する声もある。

秋が節目

複数の関係者によれば、トランプ陣営のロシア疑惑を捜査するモラー特別検察官は、共謀疑惑に関する結論を今年秋までに導き出すことを念頭に置いており、複数の起訴につながる可能性がある。トランプ大統領による司法妨害の有無を近く判断することも含め、他の問題を解決すれば、特別検察官は共謀疑惑の捜査に全力を傾けることができるようになるという。

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