• 7月の生産目標は日量1080万バレル、米国の供給増加要求に応じる
  • 6月の輸出も大幅増、既に生産増加か-ブルームバーグデータ
Oil pipes connect the oil tanker. Photographer: Luke MacGregor

サウジアラビアは7月の原油生産量を過去最大とし、石油価格を抑えるため輸出を大きく伸ばす計画だ。同国の生産方針について説明を受けた関係者が明らかにした。

部外秘の情報であることから匿名で語った関係者によると、国営石油会社サウジアラムコは来月の生産を日量1080万バレル前後に引き上げることを目指している。これが実現すれば、2016年11月に記録した1072万バレルを超えて過去最高になる。トランプ米大統領は石油輸出国機構(OPEC)に供給増加を求めているが、この圧力に前例のない形で応じる格好だ。

サウジがOPECに報告した5月の生産量は日量1003万バレルだった。7月の実際の生産水準は国内消費と輸出の需要次第で、1060万バレルから1100万バレルの間になる可能性もあると、関係者は述べた。同国ではエアコン利用のため夏季の電力需要が高く、発電用の石油消費が増える。

サウジ政府関係者はコメントの要請に応じなかった。

ブルームバーグがまとめたデータによると、サウジの原油輸出は既に大幅な伸びを示している。6月20日までの輸出量は5月全体の平均を1日当たり約50万バレル上回る。このペースが続けば、今月の生産は過去10年余りで最高の伸びとなり、サウジアラムコが多くの市場関係者の予測を上回る水準に生産を引き上げたことが示唆される。

原題:Saudi Arabia Is Said to Plan Record Crude Oil Production in July(抜粋)