• トランプ大統領、「公正」な貿易取引に向けて合意が近いと発言
  • メルケル首相と連立与党CSU、移民・難民政策巡り合意

2日のニューヨーク外国為替市場ではドルが堅調。ただ午後に上げを縮める展開となった。貿易面での対立やドイツの政局を巡る懸念が後退したことが背景にある。

ドルは主要10通貨のほぼ全てに対して値上がり。特にオーストラリア・ドルとニュージーランド(NZ)ドルに対して大きく上げた。ニューヨーク時間の早い段階にリスク選好が後退、新興国通貨や資源国通貨に重しとなった。メキシコ・ペソは下落。1日投開票の大統領選挙では、新興左派政党、国家再生運動の大統領候補アンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏が勝利を収めた。

トランプ大統領は「公正」な貿易取引に向けて合意が近いと述べたことから、貿易戦争に対する懸念が後退した。

ロス米商務長官はこれより先に、米国の世界貿易機関(WTO)脱退について議論するのは「やや尚早」だと述べた。

ロス長官は2日、CNBCとのインタビューで、「WTOはある程度の改革が必要であることを認識している。WTOの活動を見直し、状況に適合させる必要性は間違いなくあると考える。われわれは先行きを見極める方針だ」と発言。「しかしWTOを単に脱退することについて語るのはやや尚早だと考える」と述べた。

ユーロは午後に下げを縮めた。ドイツのメルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)と、統一会派を組むキリスト教社会同盟(CSU)が移民・難民政策を巡り対立したことを背景に軟調な展開となっていたが、ニューヨーク時間午後に両党がこの問題で合意に達し、対立が解消されたことを受けて下げ渋った。

ニューヨーク時間午後4時56分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前営業日比0.5%上昇。一時は0.7%上昇となった。ユーロは対ドルで0.4%安の1ユーロ=1.1639ドル。ドルは対円で0.1%高の1ドル=110円88銭。

欧州時間の取引

ドイツの政局混乱が悪化するとの懸念から、欧州時間もユーロは軟調な展開となっていた。

原題:Greenback Pares Advance as Risk Appetite Recovers: Inside G-10(抜粋)
Euro Stays Under Pressure as German Politics Weighs: Inside G-10