最近気になっているというか、注目していることがいくつかある。思いつくままにあげれば①北朝鮮の非核化②中国の景気並びに米中貿易戦争の行方③メキシコの大統領選挙④米露首脳会談とシリア情勢⑤働き方改革など生産性の向上ーといったところか。このほかにも難民政策をめぐるメルケル政権の行方、原油価格の動向、消費税をめぐる動きなど数えあげたらきりがない。このうちのいくつかは結果が出た。メキシコの大統領選挙では新興左派政党である「国家再生運動(MORENA)」のアンドレス・ロペスオブラドール元メキシコ市長(64)が圧勝した。メルケル首相は難民政策をめぐって対立していたキリスト教社会同盟(CSU)の党首であり内相を務めるゼーフォーファ氏と和解した。目先情勢は好転したとみていいのだろう。
メキシコの大統領選挙は予想通りの結論だった。元メキシコ市長であるロペスオブラドール氏は新興勢力の党首として大統領選挙に臨んだ。同氏は治安の回復、汚職の絶滅、格差の根絶、反トランプ主義などを掲げて貧困層の絶大な支持を集めたと言われている。トランプ大統領のいいなりにはならないと言いつつ、やっていることはトランプ流の超過激主義。自国優先でナショナリズムを刺激し、国民の支持を取りくけるポピュリストでもある。メキシコ国境に壁を作り費用はメキシコに払わせると言っているトランプ氏との対立は避けられそうにないが、オブラドール氏は反米を強調しつつも「対話は継続する」といっている。意外にトランプ氏とうまくやりそうな気もする。政治は表から見ているだけではわからない。
北朝鮮の非核化をめぐってポンペオ国務長官が5日から7日まで北朝鮮を訪問する。米朝首脳会談から早くも1カ月が経とうとしているが、非核化に向けた目立った動きはない。逆に米国のメディアは北朝鮮が相変わらず核開発を続けているとのニュースを流している。事実関係ははっきりしないが、国務省のナウアート報道官は、「去年のこの時期に北朝鮮は、ICBM=大陸間弾道ミサイルだとするミサイルを発射していた」(NHK)と述べ、「この1年で取り組みは進展している」(同)との見解を示している。その通りだが「完全で検証可能で不可逆的」な非核化を声高に叫んでいる割には、現実の交渉にスピード感が全くない。1年前より良くなったと言っても中間選挙に向けた支持率は上がらないだろう。すべからく一進一退の気になっていることどもだ。