日本経済新聞社は50代の元社員が、およそ3000人の社員の賃金データを外部に漏らしたとして、不正競争防止法違反の疑いで警視庁に告訴しました。
日本経済新聞社によりますと、53歳の元社員は去年12月、社員およそ3000人分の基準内賃金などのデータが入ったUSBメモリーを、月刊紙を発行する団体に郵送したということです。
元社員は6年前、デジタル販売局に勤めていた時に業務用パソコンを分解してハードディスクを抜き取り、賃金データを私用のパソコンに移していたということです。
ことし1月に月刊紙を発行する団体のホームページに社員の賃金情報が掲載されたことに別の社員が気付いて問題が発覚しました。
元社員は社内調査に対し漏えいを認めたうえで、サービス残業を外部通報するためにデータを送ったなどと話しているということで、日本経済新聞社は元社員を懲戒解雇としたうえで3日までに不正競争防止法違反の疑いで警視庁に告訴しました。
このほか元社員は日経新聞の電子版の読者およそ34万人分の情報などを持ち出していたということですが、日本経済新聞社は顧客情報が第三者に漏えいした事実は確認されていないとしています。
日本経済新聞社は、元社員が言うようなサービス残業は無いとしたうえで「読者の皆様にご心配をおかけし深くおわびします。警察の捜査に全面的に協力するとともに、情報管理体制の見直しや社員教育を改めて徹底し再発防止に全力を挙げて取り組みます」とコメントしています。