11日、ブリュッセルで、記念撮影に応じるトランプ米大統領(前列中央)ら北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の参加者(EPA時事)

【ブリュッセル時事】北大西洋条約機構(NATO)は11日の首脳会議で共同宣言を採択し、加盟国の国防支出を2024年までに国内総生産(GDP)比で2%以上とする目標実現に、揺るぎない意思で取り組むことを再確認した。しかし、国防支出負担が軽い加盟国への不満を強めるトランプ米大統領は各国首脳に目標の4%への引き上げを一方的に要請。同盟国間の亀裂の深さを印象付けた。

国防支出をめぐっては、18年は加盟29カ国中8カ国が目標をほぼ達成する見込み。ただ、ドイツを含め多くの国は2%への道筋を描けておらず、トランプ氏は「不公平だ」として同盟国批判をエスカレートさせていた。

共同宣言では「支出分担と同盟国としての責任のバランス改善に尽力する」との文言を盛り込み、トランプ氏に一定の配慮を見せた。一方、4%提案についてNATOのストルテンベルグ事務総長は記者会見で、「まずは2%に到達すべきだ」と述べるにとどめた。