トランプ米政権は11月の中間選挙を前にガソリン価格上昇を抑えることを狙い、戦略石油備蓄(SPR)の取り崩しを積極的に検討していると、事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

協議は非公開だとして匿名を条件に語ったこれら関係者によれば、6億6000万バレルに上るSPRを取り崩す決定はまだだが、500万バレルの試験的売却や3000万バレルの放出などの選択肢が検討されている。他国との協調によりさらに大幅な放出を行う可能性もあるという。

全米自動車協会(AAA)のデータによれば、無鉛レギュラーガソリンの平均価格は13日に1ガロン=2.89ドルと、前年のこの時期の水準を28%上回った。AAAによると、ガソリン全米平均価格はレーバーデー(9月第1月曜日)にかけて2.85-3.05ドルのレンジで推移する見通し。

トランプ米大統領は今月4日のツイートで、石油輸出国機構(OPEC)はガソリンコストの引き下げに「ほとんど役に立っておらず」、「それどころか、価格を押し上げている。米国が多くの加盟国をほとんど無償で守っているのにだ。互恵的な関係にする必要がある。価格をすぐに引き下げろ!」と述べた。

米エネルギー省はコメントを控えた。ホワイトハウスはコメントの要請に今のところ応じていない。

原題:Trump Said to Mull Tapping Oil Reserve as Pump Prices Near $3(抜粋)