[ニューヨーク 27日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して小幅に下落した。第2・四半期の米国内総生産(GDP)速報値は約4年ぶりの高水準となったものの、貿易摩擦が今年後半のマイナス要因になるとの不安を払拭しきれない内容だった。

米商務省が発表した第2・四半期GDPは、年率換算で前期比4.1%増で市場予想と一致。第1・四半期は当初発表の2.0%増から2.2%増へ上方改定された。トランプ大統領などが事前にGDP統計について示唆していたことから、ドイツ銀行の世界外為戦略部門責任者、アラン・ラスキン氏は「市場では好調な数字になるとの見方が広がっていた」と指摘。

ただ、前年同期比では2.8%増の控えめな内容となり、市場予想の3.1%増には届かなかったともラスキン氏は述べた。また、シリコン・バレー銀行のシニア為替トレーダー、ミン・トラング氏は「今回の数字は、米連邦準備理事会(FRB)の年内計4回の利上げ見通しをかなり支援する」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は0.09%安の94.662。週間では0.2%上昇。ユーロ/ドルは0.14%高の1.16595ドル。ドル/円は0.2%安の111.00円。ユーロは前日、欧州中央銀行(ECB)が理事会後に、来年夏まで金利を現行の過去最低水準に維持する方針などを示したことから、0.7%余り下落していた。

円はユーロやドルに対して堅調。日銀は30─31日に開く金融政策決定会合で、金融緩和策の持続可能性を高める方策を議論する可能性があるという。米中貿易摩擦の影響で、人民元は13カ月ぶり安値となる1ドル=6.8369元に下落した。

ドル/円
NY終値 111.03/111.06
始値 111.15
高値 111.24
安値 110.80

ユーロ/ドル
NY終値 1.1656/1.1659
始値 1.1625
高値 1.1664
安値 1.1621