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仮想通貨信奉者の政府に対する不信解消図る-シュシェパニャク氏
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SECのさまざまな部門の仮想通貨関連業務を調整へ
米証券取引委員会(SEC)は金融業界の超大物を相手取った大掛かりな訴訟を起こすことで有名だ。だが、個人や企業を制裁する当局の権限は威圧的と受け止められる可能性もある。SECで仮想通貨業界を監督する新責任者に先月就任したバレリー・シュシェパニャク氏もこの点に配慮している。
シュシェパニャク氏は新たな職務に就くに当たり、SECの法執行部門を離れ新規株式公開(IPO)など企業の株式発行を監督する部門に加わった。対立的でないアプローチを取る主な理由は、仮想通貨の信奉者らは政府に対する深い不信感を持っているためだ。自分たちのビジネスについてSECの市場監督当局者と話したがらないのは、調査対象になったり、さらに悪いことには事業を閉鎖されたりすることを恐れてのことだ。
同氏(51)はインタビューで、「われわれは人々に話しに来てほしい。関係者との会合では私のことを、コミュニケーションに関心があり、投資家や市場に役立つ技術革新の奨励を目指す人間と受け止めてもらいたい」と語った。
SECが6月に同氏を初のデジタル資産担当シニアアドバイザーに昇格させたのは、仮想通貨が突き付ける課題を認識していることの表れだ。多額の資金が毎月、ほとんど規制されていないトークンに流入しており、その多くが小口トレーダーからの資金だ。
シュシェパニャク氏はSECのさまざまな部門での仮想通貨関連業務を調整することが自身の任務の中心だと説明した。イニシャル・コイン・オファリング(ICO、新規仮想通貨公開)を巡る政策なども同氏の管轄に含まれる。