• 40年前の創業以来、コンピューターや音楽、モバイル通信に革命
  • アマゾンやアルファベット、マイクロソフトは8000億ドル台
Shoppers look at products at the Upper West Side Apple Inc. store.、Photographer: Michael Nagle

アップルの時価総額が2日、米企業として初めて1兆ドル(約111兆7000億円)を突破した。故スティーブ・ジョブズ氏が約40年前にシリコンバレーにある実家のガレージで創業した同社はその後、コンピューターや音楽、モバイル通信の世界に革命を起こした。

アップル株は2日の米市場で前日比2.9%高の207.39ドルで終了。時価総額は1兆20億ドル(約111兆9000億円)に達した。中国のペトロチャイナ(中国石油)は2007年遅くに1兆ドルの大台を短期的に上回ったが、その後は金融危機の影響で原油価格が急落したことから同社の時価総額も急速にしぼんだ。他の大手テクノロジー企業はアップルに大きく後れを取っているわけではなく、アマゾン・ドット・コムやアルファベット、マイクロソフトは全て時価総額が8000億ドルを超えている。

「iPodナノ」を紹介する故スティーブ・ジョブズ氏(2007年9月5日)
Photographer: Ryan Anson/Bloomberg

1976年の創業以来、アップルは一貫してコンピューターにできることをイメージし直し、人間が機器やソフトウエアとどう関わり合うかを定義してきており、「iMac(アイマック)」や「iPod(アイポッド)」、「iPhone(アイフォーン)」、「iPad(アイパッド)」が大ヒットした。2007年にジョブズ氏が投入したアイフォーンはタッチスクリーンで、音楽プレーヤーやウェブブラウザー、電子メール機能を搭載したスマートフォン革命の先駆けとされ、モトローラやブラックベリーなどのライバル企業を圧倒した。

アイフォーンは当初の期待を上回り、販売台数は13億台余りに上っており、同製品の実用性を高めるソフトを開発して生計を立てる独立系デベロッパーも登場するなど、アプリ経済を生み出した。アイフォーンを中核に関連サービスが伸びており、同社は21年までに500億ドルの年間サービス収入を目指している。

原題:Apple Becomes First U.S. Company to Hit $1 Trillion Value (3)(抜粋)