• トランプ氏のFRB議長批判、テスラ株主がクック氏に期待
  • 欧州と中国の為替政策批判、日銀3番目、逆イールドなら利上げ反対

「非常に危険だ」と警告したのは、米連邦準備制度史が専門で、ペンシルベニア大学ウォートン校准教授のピーター・コンティブラウン氏。7月にトランプ大統領が利上げは「うれしくない」と発言した時のコメントです。約1カ月が経過し、トランプ氏は再びパウエル議長への批判を展開しました。連邦公開市場委員会(FOMC)は9月会合で、追加利上げを決定すると広く予想されています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

チープマネー期待

トランプ米大統領は自身が指名したパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長について、低金利政策をとると見込んでいたが逆に金利を引き上げていると、資金集めのイベントで不満を漏らした。イベントの出席者3人が明らかにした。トランプ大統領はこれまでも、最近の利上げについて公に不満を漏らしているが、今回の発言はパウエル議長に対する最も直接的な批判にあたる。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は、この発言が報じられた直後に下落した。

クック氏待望論

米電気自動車メーカー、テスラに投資する強気派からは、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)とテスラのマスクCEOが手を組むのが理想だとして、アップルによるテスラ関与を待望する見方が出ている。ガーバー・カワサキ・ウェルス・アンド・インベストメント・マネジメントのロス・ガーバーCEOは、「まるで絵に描いたような完璧な組み合わせだ。実現しないかもしれないが、夢にみている」と述べた。テスラ株は約1%高で終了。

「為替操作」を批判

トランプ大統領は中国が自国通貨を操作しており、欧州もユーロを操作していると述べたと、ロイター通信が伝えた。トランプ氏は米国が中国に関税を適用した際に、中国は人為的に人民元を押し下げていると語った。米株式相場は上昇したが、取引終了直前にこの発言が伝わると上げ幅を縮小した。トランプ氏はまた、米国人牧師の拘束を巡りトルコに譲歩しないと発言したという。

日銀は3番目

独アリアンツの主任経済顧問、モハメド・エラリアン氏は米国株の投資家が注意するべき4大リスクを実現性の高さと影響の大きさの順に羅列。まずは深まる世界経済の不透明感が、為替レートや金利差への相当な圧力につながるリスク。そして、貿易摩擦で政策を誤ればリセッション(景気後退)や金融不安、地政学的緊張の高まりを招くリスク。その次が日本銀行と欧州中央銀行(ECB)という2つの重要な中央銀行が同時に正常化に動いた場合の、経済と市場の反応。最後がトルコだという。

イールドカーブと利上げ

アトランタ連銀のボスティック総裁は、米国債利回りの長短逆転(逆イールド)の発生が見込まれる状況になった場合は、追加利上げに反対すると表明した。ボスティック総裁は今年計3回の利上げ、つまり年内あと1回の利上げを引き続き支持すると表明。FOMCは6月、今年通年の利上げ予測を4回(中央値)としており、ボスティック総裁の見通しはややハト派寄りだ。総裁は今年のFOMC会合で投票権を持つ。

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