• 新興国通貨の3カ月物IVは16年初め以降で最も高い水準にある
  • 新興国市場にリスクを戻すのは時期尚早とモルガン・スタンレー

トルコや南アフリカ共和国、ロシアを巻き込んだボラティリティーに衰える兆しがほとんど見えない中で、新興国市場資産はさらなる混乱に向かう恐れがある。

新興諸国の株式と通貨が過去1年余りの最低水準に接近する大混乱の1週間を経験した投資家らは、トルコと米国との対立が続き、貿易を巡る緊張が長引く状況で、二の足を踏むと考えられる。

トルコ・リラは先週反発する場面もあったが、17日には再び下落。トレーダーらは、米国が23日に中国への追加制裁措置を発動するかどうか注視し、神経質な状態が続く可能性が高い。S&Pグローバル・レーティングとムーディーズ・インベスターズ・サービスは、変動の激しい通貨と大幅な経常赤字がトルコ経済を弱体化させかねないとして、同国の信用格付けを引き下げた。

S&Pとムーディーズ、トルコを格下げ-リセッション予想も

新興国通貨の3カ月物インプライド・ボラティリティー(IV)は2016年初め以降で最も高い水準にあり、市場の早期沈静化はないというトレーダーの見方を反映している。モルガン・スタンレーは株式と債券、通貨の相場が魅力的な水準まで十分下がったか疑わしいと考えている。

同行のジェームズ・ロード 、ミン・ダイ両氏を含むアナリストらは顧客向けリポートで、「バリュエーションは低下し、ポジションは軽くなっているが、新興国市場にリスクを戻すタイミングではないと思う。むしろ新興国市場ポートフォリオのさらなるリスク圧縮をわれわれは勧める」と主張した。

原題:Emerging-Market Assets On the Rack as Turkey Shatters Confidence(抜粋)