• ドイツ政府は細部を詰めない合意を受け入れる用意と関係者
  • 英側も一部の決定を離脱後まで先送りしても構わない立場という
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

英国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡り、英政府とEUの中核国であるドイツ政府が主要な要求をそれぞれ取り下げた。妥結に向けた交渉進展が容易になる可能性がある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。この報道を受けて、ポンド相場は上昇した。

協議の非公開を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、ドイツは離脱交渉妥結を目指し、英国とEUの将来の経済・通商関係について細部を詰めない合意を受け入れる用意がある。匿名の当局者1人によると、英国側も将来の関係に関するより曖昧な内容の趣意書で妥協し、一部の決定を離脱後まで先送りしても構わない立場という。

英国とEUは、最初の段階として両者の将来の関係を巡る詳細な計画を示したいと当初望んでいた。複数の当局者によると、双方の交渉担当者はいったんは最大100ページの文書をまとめる予定だったが、今では10分の1程度の分量にとどまる可能性がある。

ポンドはこのニュースを好感し、一時前日比1%上昇。しかし、ドイツ政府報道官は離脱交渉のスタンスに変更はないとロイター通信が伝えたことで、その後上げ幅を縮小した。

英EU離脱に先立ち広く細部を詰める要求の撤回は、メイ英首相がまとめたEU離脱の包括的プラン(チェッカーズ・プラン)への幅広い反対が、必ずしも離脱交渉妥結の障害にならないことを意味している。秩序立った離脱を確保する合意成立をまず優先し、将来の通商協定は離脱が実現するまで取り決めないという2段階方式となるためだ。

アイルランド国境で税関検査や入国管理などのハードボーダー(物理的壁)をいかに回避するかという問題は、進展の可能性を示す兆しはあるものの、なお合意の障害だ。さらにメイ首相とEUとの合意は、その内容にかかわらず、英議会承認の段階で反対に遭う可能性が高い。

原題:Germany, U.K. Said to Drop Brexit Ask, Easing Path to Deal (1)(抜粋)