[ニューヨーク 5日 ロイター] – ニューヨーク外為市場は、英国の欧州連合(EU)離脱を巡って、ドイツと英国が主な要求を撤回したとのブルームバーグ報道を受け、英ポンドとユーロが上昇した。ドルは主要通貨バスケットに対してやや値下がりした。ただ、新興国通貨が総じて軟調でドルを下支えした。
6通貨バスケットに対するドル指数.DXYは0.3%安の95.154。
ブルームバーグは関係筋の話として、英EU離脱合意に向け、ドイツ政府が細部を詰めていない将来の経済・貿易関係に関する協定を受け入れる用意があると伝えた。報道を受けポンドが急伸し、ドル指数の上げが消えた。
ドイツ側が報道内容を打ち消す姿勢を示唆し、合意無しも含めあらゆる英EU離脱のシナリオに備えていると表明、ポンドの上げ幅は幾分縮小した。
ポンドが対ドルで0.4%高の1.2905ドル、ユーロは対ドルで0.39%高の1.1626ドル。
市場関係者の1人は「この種の観測がこれまで、ポンドを押し上げており、(報道内容の理解に)慎重姿勢が必要」「にもかかわらず、話し合いのトーンが総じて幾分軟化し、合意の可能性も考えられることを(報道は)引き続き示す」と指摘した。
ドルは通貨バスケットに対し数週間ぶり高値付近で推移した。貿易を巡る緊張状態懸念を背景に、安全資産としてのドル需要は底堅い。
トランプ大統領は6日のパブリックコメント期間終了後、中国から輸入する2000億ドル相当の品物に追加関税を課す可能性がある。ただ、発動時期がどの程度早いのかは不透明だ。
北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉は、カナダが米国との協議終了後、協定存続の余地がなお残っていると訴えた。
貿易摩擦激化で輸出主導経済に影響が及ぶとの懸念が広がり、新興国市場通貨は引き続き軟調に推移した。MSCI新興国通貨指数.MIEM00000CUSは0.16%下落、一時昨年5月以来の安値に沈む場面もあった。
ドル/円
NY終値 111.52/111.54
始値 111.57
高値 111.75
安値 111.44
ユーロ/ドル
NY終値 1.1629/1.1630
始値 1.1593
高値 1.1639
安値 1.1573