• ムニューシン長官の北朝鮮発言、トランプ大統領は日本を標的か
  • 半導体に売り、パウエル議長のジレンマ、新興市場売りに反転期待
トランプ大統領と安倍首、Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月の会合で政策金利を引き上げるというのが、大方の市場関係者の見方ですが、その先についてはやや不透明感が漂っています。米利上げや貿易戦争に圧迫され、新興国資産の売りが記録的な長期にわたるなか、7日には米雇用統計が発表されます。注目の平均時給は、伸びが前月を若干下回るとの予想です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

北朝鮮に責任

2014年に起きたソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのハッキング攻撃や、身代金要求型ウイルス(ランサムウエア)「ワナクライ」による世界的なサイバー攻撃について、米司法省は北朝鮮のハッカーを訴追請求した。米財務省も容疑者ならびに勤務先企業に対する制裁を発表。ムニューシン財務長官は声明で、「米国はサイバー攻撃など北朝鮮による犯罪行為に対し、同国に責任を取らせる考えだ」と言明。ニューヨーク外為市場の正午過ぎ、ドルは対円で一段安となった。

次の標的は日本

トランプ米大統領は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のジェームズ・フリーマン記者との電話で、日本の指導者との良好な関係について語る一方、「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」と述べた。同記者がオピニオン記事で伝えた。トランプ大統領は依然として対日貿易に悩まされているようだという。夕方のニューヨーク外為市場でドルは一段と下げ、110円52銭を付けた。

半導体受難の日

米市場では半導体株が下落。複数のアナリストが米マイクロン・テクノロジーやメモリー市場に対する懸念を指摘したことに加え、KLAテンコールが業界会合で示した見解を受けて下げが加速した。ベアードはマイクロンを半導体大型株トップ銘柄から外し、粗利益率がピークに達していること、DRAM価格の頭打ち状態、NAND過剰供給の悪化を懸念材料として指摘した。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は一時2.7%下落した。

繁栄のオアシス

20年前にアラン・グリーンスパン氏が連邦準備制度理事会(FRB)議長として格闘したパズルを、今度は新興市場国経済に危機が迫る中でジェローム・パウエル現議長が解かなくてはならない。米経済が力強さを増せばその分、金利を引き上げる論拠も強まるが、一方で新興市場国、特に国外マネーへの依存度が高い国への圧力も高まる。FOMCが行動を検討するとすれば、今の波乱が中国に広がった時だろうとIIFのブルックス氏は分析する。

歯止め期待

新興国資産価格のピークを予測したヘッジファンド、ワイス・マルチストラテジー・アドバイザーズのジョルディ・ビサー最高投資責任者(CIO)によると、7カ月に及ぶ新興国資産売りはほぼ終了し、近く反転する可能性がある。同氏が1月後半に「大規模な調整局面」に入るとの見方を示して以来、MSCIの新興国株価指数は20%近く下げ、アルゼンチンからトルコに至るまで新興国の通貨は最安値を更新した。

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