2020年東京五輪・パラリンピックのテスト大会を兼ねたセーリングの「ワールドカップ(W杯)江の島大会」が昨日始まった。場所は大会の冠にあるように神奈川県の江ノ島である。開会式に合わせてイルカショー行われた。これに世界から参加したアスリートが反発した。読売新聞によると大会を統括する国際団体のワールドセーリングが「開会式の内容について事前に(主催者から)連絡を受けておらず、容認できない」との声明を出した。朝日新聞によるとイルカ捕獲や展示に否定的な意見を持つ一部の外国人選手が、ツイッターで「困惑した」などと疑問視するコメントを発信したという。日本セーリング連盟の河野博文会長が同日、謝罪した。
このところスポーツをめぐる話題にこと欠かない。テニスの全米女子プロ選手権で日本人女性として初めて優勝した大坂なおみ選手は、世界中から注目を浴びた。勝って驕らずピンチに我慢強く耐える。大坂選手はプレイだけでなくインタビューや表彰式での対応でも世界中で評価された。優勝もそうだがこうしたマナーができる大阪選手を日本人として誇らしく思う。彼女のパフォーマンスは世界の最高クラスにランクしている。それに比べると負けたセリーナ・ウィリアムズはコートにラケットを叩きつけて壊したり、主審に抗議したり散々だった。一流選手も時にこういうことをやらかしてします。真剣勝負の世界で平静を保つことがいかに難しいか、それができる選手が世界クラスと呼ばれるのだろう。セリーナは残念ながらこの日は明らかに世界クラスから逸脱していた。ついでに言えば聴衆のブーイングもいただけない。
だが、大坂なおみが世界クラスになったのは日本人だからではない。ドイツ人のコーチ、サーシャ・バイン氏(33)のお陰である。彼はコート上で椅子に腰掛けている大阪選手に、膝をついて目線を彼女と同じ高さに落としてアドバイスする。立ったまま上から目線で、怒鳴ったり暴力を振るったりする日本人コーチとはスタイルそのものがぜんぜん違う。日本人の監督やコーチは殴ったり暴言を吐いたり、ハラスメント的な言動を平気で行う。大阪選手の優勝を日本人初の快挙と持ち上げるメディア。これに両手をあげて感激している日本人。セーリング連盟が国際クラスでないのと一緒で、大阪選手を育てたのは日本人とは異質なドイツ人であり、非日本的なスポーツの土壌である。日本人はそのことを真剣に考えるべきだと思う。