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自動車への追加関税、「発動されない形で合意を」-安倍首相
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FTA迫る米国、茂木・ライトハイザー両氏のFFRも24日開催
安倍晋三首相は23日訪米し、トランプ大統領と26日に首脳会談を行う。通商問題で日本車への輸入制限措置の適用を回避したい考えだが、2国間の自由貿易協定(FTA)交渉を求める米国に譲歩を迫られる可能性もある。
安倍首相は20日、NHKの番組で、米国との通商交渉で「日本の国益をしっかりと守り抜いていきたい」と強調。農産物については「環太平洋連携協定(TPP)で示したもの以上は出さないとはっきりと言っている」と語った。安全保障上の脅威を想定した米通商拡大法第232条を根拠とした追加関税が日本製自動車や部品に「間違っても発動されない形で合意に至ればと思う」とも述べた。
首脳会談に先立つ24日夕(日本時間25日朝)には、茂木敏充経済再生担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表による新たな貿易協議(FFR)の第2回会合がニューヨークで開催される。しかし、2国間交渉を進め、農業分野などで有利な条件を引き出したい米国と、TPPの枠組みでの自由貿易を主張する日本の思惑は平行線をたどっており、決着点を見いだすのは困難な情勢だ。
米中間の貿易摩擦が過熱する中、米国は日本に対しても強硬姿勢をちらつかせている。トランプ大統領は7日、日本が米国との新たな通商合意に至らなければ「大きな問題」になるだろうと発言。ハガティ駐日米大使は10日、BSフジの番組で、日米首脳会談ではトランプ大統領からFTAの締結を提起するとの見通しを示した。
安倍首相は20日の同番組で、日米間は貿易・投資拡大という共通の目標があり、「方法論の違いにすぎない」と強調。仮に自動車への追加関税が発動された場合の対応については世界貿易機関(WTO)のルールに従って対応する考えを示した。来週は世耕弘成経済産業相も24日から訪米し、日米欧の貿易担当相会合に参加する。