• ポンペオ米国務長官、中国と「根本的な意見の相違」があると表明
  • ユーロ下落、予算巡るイタリアとEUの対立で

8日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要10通貨の大半に対して上昇。最近の米長期国債利回り上昇を支援材料に、買いが優勢になった。一触即発の状態にある米中貿易摩擦や中国人民元の下落を受け、円は逃避需要から上昇した。

円は主要10通貨の全てに対して上昇。ポンペオ米国務長官は8日、北京で中国の王毅外相と辛らつな言葉のやり取りを交わし、「根本的な意見の相違」があると表明した。

トランプ米政権は中国人民元の下落を懸念していると、米財務省の高官が8日語った。同省は半期に一度の為替報告書を来週公表する予定。

イタリア予算を巡る同国と欧州連合(EU)の対立を嫌気し、ユーロは8月20日以来の安値に下落した。豪ドルは米ドルに対して9月28日以降で初めての上昇。

ニューヨーク時間午後4時49分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前営業日比0.1%上昇。ドルは対ユーロで0.3%高の1ユーロ=1.1492ドル。一方、対円では0.4%安い1ドル=113円25銭。

この日はコロンブスデーの祝日のため、米国債市場は休場。日本とカナダも祝日。米国株は高安まちまちとなった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の通貨戦略グローバル責任者、ウィン・シン氏は「円はアウトパフォームしており、ドルが112円50銭近辺の水準を割り込めば、調整が一段と進む可能性がある」と指摘した。

円の上昇はヘッジファンドなど投機筋にとってはタイミングが悪いかもしれない。商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、2日終了週に大口投機筋の円売り越しは大きく膨らんだ。

イタリアのサルビーニ副首相は、欧州にとって本当の敵はユンケル欧州委員長とEUの官僚らだと名指し、予算に制限をかけ開かれた国境を推進していると非難した。

欧州時間の取引

ユーロは今月に入ってからの安値圏で推移した。イタリア問題に加え、ドイツ経済指標が軟調な内容になったことが背景にある。

原題:Yen Gets Haven Bid on Trade, China; Dollar Climbs: Inside G-10(抜粋)
Euro Gravitates Toward Low as Italy Concerns Remain: Inside G-10