政府・自民党は、日本で働く外国人が母国に残した家族について、日本の公的医療保険制度の適用対象から原則として除外する方針を固めた。政府が来年4月の開始を目指している外国人労働者の受け入れ拡大に向けて環境を整えるためだ。来年の通常国会に健康保険法改正案を提出する方向で検討を進める。

 海外に住む外国人家族の医療費を日本側が負担する仕組みを改めることで、日本人労働者が抱く不公平感を解消し、医療保険財政への圧迫を抑える狙いがある。

 日本で働く外国人は昨年10月末現在、約128万人(厚生労働省調査)。現行制度では、外国人労働者が〈1〉大企業の健康保険組合〈2〉中小企業向けの全国健康保険協会(協会けんぽ)――のいずれかに加入した場合、その外国人労働者が生計を支えている子や孫など3親等以内については、日本に住んでいなくても扶養家族として扱われる。