ロス米商務長官(AFP時事)

【ワシントン時事】複数の米メディアは9日、トランプ米大統領がロス商務長官の解任を検討していると伝えた。民主党がロス氏の金銭疑惑を追及する構えを示しているためで、後任の有力候補には中小企業局長官のリンダ・マクマホン氏が浮上している。

商務省は、鉄鋼やアルミニウム、自動車の輸入制限などの主要な貿易政策を担当する。同省トップが交代すれば、今後の対日、対中の貿易協議の行方に影響を及ぼす可能性がある。

CNBCテレビは、トランプ氏がロス氏を年末までに解任したい意向を周囲に伝えたと報じた。後任候補のマクマホン氏はプロレス団体「WWE」の経営者出身。かつてWWEの興行に参加したこともあるトランプ氏と親しい。政府系金融の海外民間投資公社(OPIC)トップのレイ・ウォッシュバーン氏も候補に挙がっている。

米政治専門紙ポリティコによると、民主党の上院議員団は9日、ロス氏が自ら投資していた石油大手シェブロンや航空大手ボーイングなどの経営者と個別に面会したことは連邦政府の倫理規定に違反する疑いがあるとして、当局に照会した。ロス氏は面会後に株取引を行った可能性があるという。(2018/11/10-09:37)