[ニューヨーク 12日 ロイター] -ニューヨーク外為市場は、ドルが対主要通貨バスケットで1年4カ月ぶりの高値を付けた。来月の米利上げ観測が広がる中、欧州の政治リスクがユーロや英ポンドを圧迫した。英国が合意なしの欧州連合(EU)離脱に踏み切る可能性や、イタリアの予算案を巡る欧州域内の対立激化に対する懸念を背景に、ドルが押し上げられた面もある。

主要6通貨バスケットに対するドル指数は0.64%高の97.527。一時、昨年6月以来の高値(97.578)を記録した。米国株式市場が大きく値下がりしたため、ドル指数の上値は重かった。英ポンドが対ドルで0.98%安の1.2852ドル、ユーロは英ポンドに対して小幅安の87.455ペンス。EUや所属政党から離脱合意への支持が得られるのか、メイ首相の手腕に疑問を投げ掛ける声が強まった。

ユーロは対ドルで一時、0.82%下落して1.124ドルと、昨年6月以来の安値に沈んだ。イタリアの来年予算を巡る同国と欧州委員会の緊張関係や、イタリア銀行部門の脆弱性を巡る懸念が、ユーロの重しとなった。

米国時間の取引は、ベテランズデーのため債券市場が休みとなり低調だった。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ドルのG10通貨に対するネットロングポジションは先週304億ドルと、2015年以来の高水準に達したNETUSDG10=。

ブラックロックのストラテジストは「世界の不透明感が強まり、米国と他国の間で利回り格差が拡大することは(ドルの)支援材料となるが、価格水準が高く、一段高を制約する可能性もある」と分析した。

ドル/円
NY午後4時 113.75/113.78
始値 113.86
高値 113.90
安値 113.67

ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1232/1.1236
始値 1.1260
高値 1.1278
安値 1.1217