[ブエノスアイレス 29日 ロイター] – 20カ国・地域(G20)首脳会議の開幕を30日に控え、共同声明策定に向けた協議は、貿易や移民、気候変動などの問題で合意にこぎ着けることができず、難航しているもようだ。

ドイツの政府高官はロイターに対し、「今年は多国間協調主義にとっては芳しくない年だ」とし、G20が採択する共同声明を巡る協議は「非常に困難だ」と語った。

同高官は、協議の争点については明確にしなかったもの、米中貿易摩擦に端を発する世界の貿易を巡る対立が、今回のG20首脳会議の焦点となることが見込まれている。

声明草案の策定に関与する高官の一人は「2日半程度の話し合いによって、声明の約3分の2程度の内容はまとまった」と述べた。ただ、「争点は貿易、気候、移民・難民、多国間協調主義、鉄鋼に絡む問題で、いまだ合意は得られていない」と明らかにした。

今回のG20では、トランプ米大統領と習近平・中国国家主席による貿易問題を巡る会談が注目されている。トランプ大統領はこの日、中国との通商交渉で合意することに前向きとしつつも、自分が実際にそれを望んでいるかは定かでないと発言。「通商面で中国と何かを行える状況に近づいているが、私がそれを望んでいるかどうかは分からない」と述べた。

中国側は、米中首脳会談で「前向きな結果」を得ることを期待しているとの認識を示した。