• 宙に浮く米中関税合意、OPEC減産は不透明、ダウ自警団が暗躍か
  • 早ければ2020年に米利下げも、ゴールドマンは来年も悲観
トランプ大統領、Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

中国との貿易交渉に関連して自分を「タリフマン」だと呼んだトランプ米大統領。タリフ(関税)こそ「米国の経済パワーを最大限に引き出す最良の方策」と宣言しました。その虚勢とも受け止められる言動の一方で、「ダウ自警団」という言葉もささやかれるマーケットでは株式相場が急落。債券市場は利下げ観測を織り込み始めました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

修正

トランプ米大統領は中国との貿易戦争の休戦期間を90日間から延長する可能性を示唆。交渉決裂となれば、中国製品に対する輸入関税を喜んで維持するとツイッターで述べた。一方、ホワイトハウスのクドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、中国が米国製自動車に対する関税引き下げに合意したとの大統領の発表内容を修正し、「署名や正式な手続きはまだだ」と述べた。

こちらも修正

サウジアラビアのファリハ・エネルギー相はブルームバーグに対し、ロシアが「原則として」減産を支持していると述べつつ、今週ウィーンで開かれる石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国の会合で何が合意されるのかを言明するには「時期尚早」だと語った。ニューヨーク市場ではWTI原油先物が0.6%上昇の1バレル=53.25ドルで引けた。

ダウ自警団

この1週間にトランプ大統領とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が相次いで姿勢を急変させたのは、市場が「要求した」からだと、ホライゾン・インベストメンツのグレッグ・バリエール氏は指摘する。ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ氏は「ダウ自警団がパウエル・プットとトランプ・プットの両方をマーケットに導き入れることに成功した」と話した。

利下げ

債券市場は、早ければ2020年にも連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を引き下げるとの観測を織り込み始めた。スワップ市場の織り込み具合によれば、利上げサイクルがピークに達すると予想される時期は19年末もしくは20年初めに前倒しされた。20年半ばまでに約5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) の利下げを織り込む。

来年も弱い年に

リスク調整後のクロスアセット投資リターンは今年、壊滅的というにはほど遠いものの、危機の期間を除いた過去四半世紀で最悪の年に数えられるだろうと、ゴールドマン・サックス・グループは予想。成長減速と中央銀行のバランスシート圧縮、繰り返されるボラティリティー上昇で、19年もまた弱い年になると分析した。

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