• 平均時給は前月比0.2%増-市場予想は0.3%増
  • 失業率は3.7%で変わらず-1969年以来の低水準

11月の米雇用統計では、雇用者数と賃金の伸びがいずれも予想を下回った。一方で失業率は前月から横ばいで、約50年ぶりの低水準を維持した。

米労働省の7日発表によると、11月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比15万5000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は19万8000人増だった。前月は23万7000人増(速報値25万人増)に下方修正された。

家計調査に基づく11月の失業率は3.7%で、前月から変わらず。平均時給は前月比0.2%増で、伸びは市場予想(0.3%)を下回った。前月は0.1%増(速報値0.2%増)に下方修正された。11月は前年比では前月に続き3.1%増で、予想と一致した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は6日遅く、多くの指標でみて米労働市場は「非常に力強い」とし、経済は「全般的に非常に良好に推移している」と述べていた。

JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「15万5000人増がひどいというわけではないが、それでも市場の期待を下回った」と指摘。経済がここ2四半期に異例ともいえる力強い成長を見せたことから、「今四半期は成長ペースが鈍化し、労働市場もやや減速すると見込まれる。経済がシュガーラッシュ(糖分の過剰摂取による興奮状態)から落ち着きを取り戻すような感じだ」と分析した。

民間部門の雇用は16万1000人増で、伸びは市場予想(19万8000人)に届かなかった。政府部門の雇用は6000人減少した。

サービス業は13万2000人増。プロフェッショナル・ビジネスサービスは3万2000人増で、2017年12月以来の小幅な伸びにとどまった。

週平均労働時間は34.4時間で、前月(34.5時間)から減少。週労働時間の減少は、平均時給を押し上げる効果がある。

労働参加率は62.9%で前月から変わらず。

「U6」と呼ばれる不完全雇用率は7.6%に上昇(前月7.4%)。U6にはフルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者や、仕事に就きたいとは考えているものの積極的に職探しをしていない人が含まれる。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Adds Below-Forecast 155,000 Jobs as Wage Gain Misses (2)(抜粋)