【北京時事】中国外務省の楽玉成次官は9日、米国のブランスタッド駐中国大使を呼び、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)に対する逮捕状を撤回するよう求めた。一方、同社製品について米国や、日本を含めた米同盟国で安全保障上の懸念が拡大しており、中国は反発を強めている。

中国、産業政策に狂いも=ファーウェイ幹部逮捕で

 孟副会長は、米国の要請を受けてカナダで1日に逮捕された。楽次官は大使に「米国の行為は極めて悪質だ」と抗議し、「直ちに逮捕状を取り消すよう強く要求する」と迫った。また、「米国の行動を見極めた上で次の対応に移る」と述べ、撤回しなければ報復する構えを示した。

 楽次官は8日にはカナダの駐中国大使を呼び、即時釈放を要求。「そうしなければ重大な結果を招き、カナダが全責任を負わなければならない」と伝え、米国への身柄引き渡しをけん制した。

 中国の習近平国家主席とトランプ米大統領はアルゼンチンで1日に会談し、貿易戦争を「休戦」して90日間の協議を行うことで合意したばかり。だがファーウェイ幹部逮捕で、米中関係は先行きが見通せない状況となっている。

 また、日本がファーウェイと中国同業の中興通訊(ZTE)の製品を政府調達から排除する方針を固めたことに関し、在日中国大使館は7日付で「強烈な反対を表明する」との声明を発表。中国の法律はいかなる機関にも、情報通信企業を介して「スパイ装置」を組み込む権限を与えていないと主張した。(2018/12/10-05:48)