イギリスのメイ首相は、土壇場で議会の採決を見送ったEU=ヨーロッパ連合からの離脱協定案について、来月7日から審議を再開する方針を示しました。しかし、最大野党の労働党は「時間稼ぎは許されない」と批判し、首相への不信任決議案を提出する構えです。

イギリスのメイ首相は17日、議会下院に出席し、先週のEU首脳会議で行われた離脱に関する議論について報告しました。

この中で、メイ首相は、議会での承認を得られないと判断して採決を見送った離脱協定案について「議員たちの懸念を払拭(ふっしょく)できるような方策に関してEU側と話し合いを続けている」と述べて理解を訴えました。

そのうえで、来月7日から議会での審議を再開し、その翌週に採決を行う方針を示しました。

これに対し、最大野党・労働党のコービン党首は「離脱を目前にして1か月近くも時間稼ぎするのは許されない」と批判し、今週中に採決を行わなければ首相に対する不信任決議案を提出する構えを打ち出しました。

イギリスの公共放送BBCは、内閣ではなく首相個人に向けられた不信任案は解散・総選挙につながるものではないとしていますが、与党・保守党の不信任投票を乗り切ったばかりのメイ首相にとって、厳しい議会運営が続いています。