• FOMC利上げ決定、シリアから米軍撤退、米銀株に下げ余地か
  • 19年は株が賭け場、日銀は現状維持と市場予想
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の大方の予想通り利上げを決定しました。利上げに対してはトランプ大統領が繰り返し批判していますが、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は声明発表後の記者会見で、「政治的な配慮はFOMCの政策に一切影響しない」と言明しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

利上げ決定

FOMCは今年4度目となる利上げを決定。声明では漸進的な利上げの箇所に「幾分か」との文言が追加された。また2019年の利上げ見通しに関しては、前回予測での3回から2回に減少した。パウエル議長は記者会見で、抑制気味のインフレ基調によりFOMCは今後辛抱強くなれると発言した。

全面撤退

トランプ大統領は「イスラム国」(IS)に対する勝利宣言を行い、シリアからの米軍撤退を命じた。ホワイトハウスも撤退開始を発表したが、サンダース報道官は撤退のペースについては触れなかった。大統領はツイッターで、「われわれはシリアのISを打倒した。トランプ政権下でのシリア派兵はIS打倒が唯一の理由だった」と記した。

米銀株に下げ余地か

アトランティック・エクイティーのジョン・ヘガティー氏は、JPモルガン・チェース株の投資判断を「中立」に引き下げ、同業大手に比べて株価目標に対する「上昇余地が最も小さい」と指摘した。同氏はまた、バンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティグループ、ウェルズ・ファーゴの株価目標と1株利益予想を引き下げた。

株こそ賭け場

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)は、株式こそ19年に資金を投じるべき資産だと賭けている。世界経済は来年も成長を続け、株式のファンダメンタルズを支えるとGSAMは予測。欧州中東アフリカ・アジア太平洋のグローバル・ポートフォリオ・ソリューションズ・グループを率いるショーガット・ブングラワラ氏は、「最大のチャンスは依然として新興国市場にある。米国株には引き続き妙味があり、株価収益率は著しく下がった」と語った。

現状維持を予想

日本銀行は20日の金融政策決定会合後に政策運営方針を発表する。ブルームバーグの調査ではエコノミスト49人全員が現状維持を予想した。最近の世界的な株価変動や米中貿易摩擦の影響、来年の消費増税を控えた景気動向などに関し、黒田東彦総裁が記者会見で示す見解が焦点となる。黒田総裁は6日の国会答弁で「海外経済を巡る不確実性が増している」と述べていた。

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