中国人民銀行(中央銀行)は小規模・零細企業への融資拡大に意欲的な銀行を対象に、最長3年間、低金利の資金を供給すると発表した。中国当局は減速感の見える景気の下支えを図って、的を絞った措置を打ち出している。

  19日遅くに発表された資料によれば、人民銀は「対象を絞った」中期貸出制度(MLF)を設け、規制上の要件を満たし、小規模・零細企業への与信を拡大する潜在性を備えた銀行から申請を受け付ける。このMLF新バージョンの金利は3.15%。現行MLFで供給される資金はこれより期間が短く、金利も高く設定されている。

  人民銀は今年これまでに預金準備率を4回引き下げた。今回、新たな資金供給手段をそれに加えたのは、シャドーバンキング(影の銀行)の取り締まり強化で経済成長が脅かされると、当局が引き続き懸念していることを示唆する。人民銀はただ、現段階では借り入れコストの全面的な引き下げには踏み切らず、不安定な人民元相場に圧力を加え得る事態を回避している。

  マッコーリー・セキュリティーズの胡偉俊エコノミスト(香港在勤)は今回の措置について、「民営企業と小規模・零細企業を支援するための控えめな金利引き下げだ」と指摘。「中国は明らかに、緩和措置を徐々に強化している」と述べた。

原題:PBOC Ratchets Up Monetary Support With ‘Low-Profile’ Rate Cut(抜粋)