【北京時事】中国の習近平国家主席は2日、北京の人民大会堂で、台湾政策を武力解放から平和統一に転換した「台湾同胞に告げる書」の発表40周年を記念して演説し、「武力使用を放棄することは承諾できない。一切の必要な措置を取る選択肢は留保する」と明言した。台湾統一に向け武力行使も排除しない強硬な姿勢を示すことで、「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文政権や、台湾への関与を強めるトランプ米政権をけん制した。
習氏は武力行使について「外部勢力の干渉や少数の台湾独立派とその分裂活動に対応するもので、決して台湾同胞に向けたものではない」と補足した。しかし、胡錦濤前国家主席が10年前の演説で「武力」の選択肢に一切触れなかったのとは対照的だ。
習氏は演説で、台湾政策の指針とする5項目を列挙。香港などと同様の「一国二制度」による台湾統一の具体案を検討する考えを盛り込み、「台湾同胞の私有財産、宗教・信仰、合法的な権益は十分に保障する」と強調した。「次の世代、その次の世代へと先送りできない」とも述べ、国家主席の任期撤廃で長期政権が可能になった自らの手で台湾問題を解決することに意欲をにじませた。(2019/01/02-16:20)