【ソウル、ワシントン時事】トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による2月下旬の再会談に向け、ストックホルム近郊で行われていた米朝の実務協議が21日、終了した。北朝鮮の「完全な非核化」に向けた「具体的措置」と、制裁の一部緩和など米側の「相応の措置」をめぐり、協議の進展状況が注目される。

トランプ氏に正恩氏から書簡=ホワイトハウス

 韓国の聯合ニュースが21日、報じた。米国のビーガン北朝鮮担当特別代表と北朝鮮の崔善姫外務次官が乗った車が会談場となっていた施設から別々に出発したという。ロイター通信によると、スウェーデン外務省報道官は米朝の信頼構築や経済開発など「朝鮮半島の発展に関する議題をめぐり、建設的な議論が行われた」と評価した。

 ペンス副大統領は20日、FOXニュースのインタビューで、2回目の首脳会談について「われわれは、北朝鮮が取るべき(非核化の)具体的措置を提示することになる」と指摘。昨年6月のシンガポール会談で合意した「完全な非核化」の具体化を目指す考えを示し、北朝鮮をけん制した。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、2回目の首脳会談では、非核化交渉が続く間の核燃料・核兵器の製造凍結も議題になる見通しだ。ポンペオ国務長官も18日、米メディアに「北朝鮮が核計画を進める能力を弱めたい」と述べた。

 一方、韓国の康京和外相は16日の記者会見で、相応の措置には朝鮮戦争の終戦宣言のほか、人道支援や米朝間の「常設対話チャンネル」設置などが考えられると説明。正恩氏が新年の辞で再開の用意を表明した開城工業団地や金剛山観光の南北協力事業も米朝が合意すれば、再開は可能との認識を示している。

 スウェーデン外務省報道官は取材に対し、ビーガン氏と崔氏、韓国の李度勲平和交渉本部長が討論会形式の国際会議に出席したと明らかにしていた。スウェーデン政府などが主催し、専門家も参加したという。(2019/01/22-01:05)