レーダー照射

日韓外相会談が、スイスで行われ、韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相が、自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇に対し低空で威嚇飛行したとして、遺憾の意を表明したのに対し、河野外務大臣は、「当該機は韓国側が主張するような近距離では飛行していない。韓国側の発表は遺憾だ」と反論しました。

国際会議に出席するため、スイスを訪れている河野外務大臣は、去年10月に太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判で日本企業に賠償を命じる判決が出されて以降、初めて、韓国のカン・ギョンファ外相と1時間余りにわたって会談しました。

この中で、カン外相は、「徴用」をめぐる判決の問題や、自衛隊機へのレーダー照射の問題など両国の間には、さまざまな困難があるとしたうえで、「特に、きょうまで3回にわたって日本の哨戒機の韓国の艦艇に対する低空飛行が続いており、遺憾だ」と述べました。

これに対し、河野大臣は、「日韓関係は非常に厳しい状況にあるが、そのような状況だからこそ顔を合わせて会談することに意味がある。日韓間の困難な問題について率直に意見交換し、最近のアメリカと北朝鮮の動きを含めた北朝鮮問題についてもしっかりと連携を確認したい」と述べました。

そのうえで、河野大臣は、「当該機は韓国側が主張するような近距離では飛行していない。韓国側の発表は遺憾だ」と反論しました。

さらに河野大臣は、「徴用」をめぐる判決について、この問題は1965年に締結した日韓請求権協定で解決済みだとして、日本が要請している協定に基づく協議に早期に応じるよう求めました。