[ロンドン 31日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が前日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定すると同時に年内の一段の利上げに忍耐強くある姿勢を表明し、利上げサイクルが終了に近づいていることを示したことを受け、ドルが対円で2週間ぶりの安値を付けた。 

ユーロは、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁がドイツの景気減速は従来予想よりも長く深刻なものになるとの見方を示したことなどを受け、対ドルで下落した。 

FRBはこれまでも忍耐強くある姿勢を示し、バランスシートの縮小についても柔軟に対応するとしていたものの、今回のFOMC声明でハト派的なスタンスを示したことは市場にとってサプライズだった。 

アナリストは今回のFOMC声明はこれまで示してきた全般的に前向きなスタンスからの方向転換だったと指摘。FOMC声明を受け、TD証券は利上げ見通しについて2回ではなく1回になるとし、この利上げが今回の利上げサイクルで最後になるとの見方を示した。 

市場は2月1日に労働省が発表する1月の雇用統計に注目。ロイター調査では非農業部門雇用者数は16万5000人増加したとの予想が示されている。12月は31万2000人増加していた。 

フォレックス・ドットコム(ロンドン)の市場アナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「雇用と賃金が予想を大幅に下回った場合、FRBが示した慎重な見方が裏付けられることになり、利上げの可能性が一段と低下する」としている。 

午後の取引でドル/円JPY=は0.2%安の108.81円。一時は2週間ぶり安値の108.51円まで下落した。 

ユーロ/ドルEUR=は0. 3%安の1.1439ドル。ワイトマン独連銀総裁はユーロ圏経済について、「特に原油安を踏まえるとインフレ率はECBが12月に示した見通しを明らかに下回ると予想される」とし、今年のインフレ見通しは下方修正の必要があるとの考えを表明。MUFGのストラテジスト、リー・ハードマン氏は、ワイトマン総裁はタカ派として知られているため、この日の発言は大きな意味があったと指摘。ワイトマン総裁の発言を受けユーロの売りがかさんだとしている。 

ユーロが下落したことで主要6通貨に対するドル指数は0.3%上昇し、95.591となった。 

ドル/円 
NY終値 108.87/108.89 
始値 108.63 
高値 108.94 
安値 108.51 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1444/1.1448 
始値 1.1486 
高値 1.1497 
安値 1.1435