国史跡・青谷上寺地(かみじち)遺跡(鳥取市)で出土した弥生時代の大量の人骨=2世紀ごろ=のDNA分析の中間報告会が2日、同市のとりぎん文化会館であった。国立科学博物館の篠田謙一副館長が、まだ途中段階で不確かだと断った上で「(人骨の)父系の遺伝子は縄文系に近いグループ」に多くが位置付けられると説明した。父系の遺伝情報が分かる「核ゲノム」分析の成果。

全国初となる弥生時代の人骨の本格的なDNA分析だけに、約430人が興味深そうに耳を傾けた。昨年11月の初回の報告会では、母系の遺伝情報が分かる「ミトコンドリアDNA」の分析により、人骨の大半は朝鮮半島や中国大陸などからの“渡来系”が多いとされていた。

当時の青谷地域では多様な遺伝グループが存在したと考えられ、日本人の起源の分析につながる可能性もあるという。今後はDNA分析を進めて各個体の特徴を調べる方針。【園部仁史】