[ニューヨーク 26日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドル指数がやや上昇した。米株価上昇を受け米債価格が低下し、国債利回りが上向いたことが背景。この日発表の米経済指標は軟調だったが、市場には大きな影響は及ぼさなかった。 

米債券市場では前週22日に、2007年半ば以来初めて10年債US10YT=RR利回りが3カ月物国庫短期証券(TB)US3MT=RRの利回りを下回った。この日も逆転した状態にある。米国では50年間にわたり、リセッション(景気後退)入り前に必ずこうした「逆イールド」が発生しているため、世界的に株安となったほか、米長期債にも圧力がかかり、ドルの圧迫要因となっていた。 

ただアナリストは、米経済は拡張軌道からなお外れていないため、ドル売りはそれほど膨らんでいないと指摘。スタンダード・チャータード銀行(ニューヨーク)のG10外為調査部門グローバル責任者、スティーブン・イングランダー氏は「ドル買いへの抵抗感は出ているが、ドル売りのハードルは比較的高くなっている」としている。 

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.16%高の96.722。一時は96.745と、1週間半ぶりの高値を付けた。 

この日発表の米経済指標では、2月の住宅着工件数が8カ月ぶりの大幅な減少となったほか、コンファレンス・ボード(CB)の3月の米消費者信頼感指数が前月比7.3ポイント低下の124.1と、2017年12月以降で2番目に低い水準となった。ただドルは安定的に推移した。 

ユーロ/ドルは0.3%安の1.1278ドル。前日はIFO経済研究所発表の3月のドイツ業況指数が市場予想を上回ったことで上昇していた。 

リスク選好度が回復したことで豪ドルAUD=D3、スウェーデンクローナSEK=D3、ノルウェークローネNOK=D3が上昇。安全通貨は売られ、円JPY=は対ドルで0.46%安の110.475円となった。 

英ポンドGBP=D3は0.11%高の1.3212ドル。ユーロ懐疑派の議員2人がメイ首相の欧州連合(EU)離脱協定案に賛成する意向を示したことが押し上げ要因となった。英議会は前日、EU離脱の主導権を1日間、政権から議会に移す案を可決。27日には離脱を巡る議会の膠着状態打開に向け、過半数の支持が得られる代替案を模索するための投票が実施される。 

ドル/円 
NY終値 110.62/110.65 
始値 110.37 
高値 110.68 
安値 110.32 

ユーロ/ドル NY終値 1.1264/1.1268 
始値 1.1322 
高値 1.1327 
安値 1.1263