政情不安が続く南米のベネズエラでは、再び全国的な停電が起きていて、政府は学校や企業を休みにして復旧を急ぐとしていますが、めどは立っておらず、都市機能がマヒする事態になっています。
南米のベネズエラでは、反米を掲げ独裁を続けるマドゥーロ大統領と、アメリカの支援を受け暫定大統領を名乗るグアイド国会議長が対立し、政治的な混乱が続いています。
ベネズエラでは今月に入り、大規模な停電が断続的に起きていて、25日からは、再び全国的に停電が続いています。この影響で地下鉄なども止まっていて、市内ではバスを待つ人の長い列ができているほか、市民が遠くまで徒歩で移動したりしています。
また、基地局が機能しないため携帯電話やインターネットなどもほぼ全面的に使用できない状態になっています。さらに、政府は被害状況を発表していませんが、自家発電の設備のない多くの病院で、人工呼吸器や人工透析などの機器を動かすことができないなど、都市機能のマヒが続いています。
停電についてマドゥーロ大統領側は「アメリカの破壊活動だ」と主張する一方、グアイド氏側は「マドゥーロ政権は腐敗していて復旧作業を怠っている」と非難しています。
政府は、全国の学校や企業を当面休みにして復旧を急ぐとしていますが、めどは立っておらず、混乱が広がっています。